ソフトバンク ヤフーにイーアクセス売却理由

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ソフトバンクが、ヤフーにイーアクセスとウィルコムの売却を行っています。ソフトバンクは、ヤフーに株式売却と融資のリファイナンスによって、4500億円の資金調達と益出しに成功していますね。


(1)ソフトバンクのイーアクセス買収と売却

ソフトバンクとKDDIはイーアクセスの買収競争を行っていましたが、ソフトバンクはイーアクセス買収に成功しました。ソフトバンクにとって、イーアクセスの保有するプラチナバンドは、電波品質の工場に不可欠でしたので大幅に顧客サービスが向上したと言えますね。

総務省の電波行政は、移動体通信の競争環境を踏まえて、イーアクセスにプラチバンドを割り当てていました。ソフトバンクがイーアクセスを買収すれば、電波行政の前提が破綻するので、総務省が何らかの行政判断を下すのか注目を集めていましたね。

ソフトバンクは、イーアクセスの株式を議決権のない多数の株式、議決権のある少数の株式に分割して取引先に譲渡を行いました。ソフトバンクは株式の大部分を保有する一方で、議決権のある株式をリース会社や通信メーカーにに売却することで、イーアクセスの買収に成功していましたね。

(2)ソフトバンク ヤフーとイーアクセス売却前の関係

  1. ソフトバンク 上場企業で親会社
  2. ヤフー 上場企業でソフトバンクの子会社 42.2%出資
  3. イーアクセス ソフトバンクの子会社 99.59%出資 議決権比率は33.29%
  4. ウィルコム ソフトバンクの子会社 100%子会社 ソフトバンクが経営再建
ソフトバンクは、ヤフーにイーアクセスを売却しましたが、ソフトバンクグループの資本関係について見てみましょう。ソフトバンクがヤフーを子会社化していることは有名ですが、イーアクセスやウィルコムも買収によって子会社化していることが分かりますね。

ソフトバンクの子会社化している三社ですが、株式の保有割合や上場の有無などで異なる点があります。ソフトバンクがイーアクセスを買収した目的は、プラチナバンドの獲得による通信環境の改善が目的でした。

ソフトバンクは、ヤフーにイーアクセスを売却した結果、ソフトバンクにとっては複数のメリットがあります。ソフトバンクは、ヤフーとソフトバンク取引先が、イーアクセスの経営権を掌握していますので、プラチナバンドの使用継続は問題がないと言えそうですね。

(3)ソフトバンクの売却スキーム イーアクセスとウィルコム

  1. ソフトバンク ヤフーに42.2%出資
  2. ヤフー ワイモバイルに99.68%出資 議決権33.29%
  3. 2014年6月1日 イー・アクセスとウィルコムの2社が合併
  4. 2014年6月2日 ヤフーが3240億円で買収 新会社ワイモバイル
  5. ソフトバンク2015年3月期決算 関係会社株式売却益557億円を計上予定
ソフトバンク ヤフーにイーアクセス売却理由について、2014年3月28日の日経が報じていますが、イーアクセスとウィルコムの合併が先に行われます。ソフトバンクがヤフーに売却するのは、イーアクセスとウィルコムが合併した翌日になりますね。

孫正義イーアクセス買収の真相(5)をまとめましたが、イーアクセス全株式の評価額を1800億円と算定しており、イーモバイルの買収に成功しています。ソフトバンク ウィルコム完全子会社化の理由を見れば、ウィルコムの負債弁済額は約410億円であり、ソフトバンクが経営再建に成功しています。

ソフトバンクが買収した、イーアクセスとウィルコムの評価額を考えると、買収プレミアムを算定している可能性が高いですね。ソフトバンクグループは、イーアクセスやウィルコムの契約者数増加が好調であることを、ヤフーが買収する価格に反映した可能性があります。

(4)ソフトバンクの資金調達金額

  1. ソフトバンクの子会社株式 ヤフーの買収金額は3240億円
  2. ソフトバンクの子会社貸付金 ヤフーが1700億円を融資 1300億円が返済
  3. ソフトバンクがヤフーから調達する資金 約4500億円=3240億円+1300億円
ソフトバンクは、ヤフーに子会社株式を売却しますが、ヤフーはローンのリファイナンスも行うようですね。ソフトバンクは、今回の子会社売却によって、ヤフーを通じて約4500億円の資金調達に成功したことになります。

ヤフーの大株主は、ソフトバンクと米国ヤフーであり、両者が株式の買い増しを行えば、すぐにでも上場廃止することになります。ソフトバンクはヤフーの財務余力を勘案して、データセンター売却なども行っていたようですが、ソフトバンク本体の財務改善を優先しているようですね。

ヤフーは、ソフトバンクからイーアクセスとウィルコムの買収を行っていますが、2015年3月期決算への影響は、売上高3200億円、営業利益100億円を想定しているようです。ソフトバンクは携帯電話加入者数の増加で利益を伸ばしていますので、ヤフーがYモバイルの携帯電話加入者数増加に成功するのか注目ですね。

(5)ウィルコムとイーアクセスの財務状況

ウィルコムの業績

  1. 2011年3月決算 ウィルコム売上高 479億円
  2. 2011年3月決算 ウィルコム営業利益 -18億円
  3. 2011年3月決算 ウィルコム当期純利益 -27億円
  4. 2012年3月決算 ウィルコム売上高 1650億円
  5. 2013年3月決算 ウィルコム営業利益 25億円
  6. 2013年3月決算 ウィルコム当期純利益 25億円
  7. 2013年3月決算 ウィルコム売上高 1693億円
  8. 2013年3月決算 ウィルコム営業利益 64億円
  9. 2013年3月決算 ウィルコム当期純利益 77億円

イーアクセスの業績

  1. 2011年3月決算 イーアクセス売上高 1815億円
  2. 2011年3月決算 イーアクセス営業利益 150億円
  3. 2011年3月決算 イーアクセス当期純利益 146億円
  4. 2012年3月決算 イーアクセス売上高 2047億円
  5. 2013年3月決算 イーアクセス営業利益 244億円
  6. 2013年3月決算 イーアクセス当期純利益 152億円
  7. 2013年3月決算 イーアクセス売上高 2207億円
  8. 2013年3月決算 イーアクセス営業利益 151億円
  9. 2013年3月決算 イーアクセス当期純利益 -24億円
ソフトバンクは、ウィルコムとイーアクセスを子会社化していますが、業績の動向について見てみましょう。ソフトバンクは、倒産したウィルコムの経営再建を行っていますが、赤字決算から黒字決算に業績回復していることが分かりますね。

ソフトバンクは、ウィルコムの再建策として、誰とでも定額割引プランなどの営業策を実施しています。ソフトバンク主導の営業活動によって、ウィルコムの顧客獲得者数は大幅に増加しており、売上高や利益が大きく伸びていますね。

ソフトバンクは、イーアクセスを買収していますが、ソフトバンクモバイルの売上高と利益を比較すれば大きな差があります。ソフトバンクのイーアクセス買収は、プラチナバンドの獲得と言われてきましたが、業績面を見れば納得できる方が多いのではないでしょうか。

(6)ソフトバンクの買収と負債

  1. 日本 ソフトバンクのイーアクセス買収 1800億円
  2. アメリカ ソフトバンクのスプリント買収 1兆8000億円
  3. アメリカ ソフトバンクのブライトスター買収 1000億円
  4. フィンランド ソフトバンクのスーパーセル買収 1500億円
  5. ソフトバンクの有利子負債 2013年9月末 8兆8400億円に増加
  6. ソフトバンクの有利子負債 Tモバイル買収 12兆円規模に増加の可能性
ソフトバンク支払利息激増 買収で3000億円をまとめましたが、ソフトバンクは銀行借入や社債によって買収資金の調達を行っています。ソフトバンクは、買収資金と子会社連結化によって負債が増加しており、9兆円近くの負債に激増していますね。

ソフトバンクは、手元現金が2兆円近くありますので、資金繰り倒産は問題ないうえに企業買収の余力が十分にあります。ソフトバンクは、ヤフーとアリババの株式だけでも、数兆円の株式を保有していますので、株式売却も考慮すれば資産余力はある会社ですね。

ソフトバンクは、子会社のヤフーにイーアクセスとウィルコムを売却することで、4500億円の資金調達に成功しました。ソフトバンクが、自社の有利子負債削減に充当するのか、設備投資や買収資金にするのか注目ですね。
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