ソフトバンクのスプリント買収 助言会社が賛成

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ソフトバンクは、スプリントの買収金額を引き上げましたので、議決権行使助言会社がソフトバンクを支持しています。ソフトバンクとディッシュを比較すると、格付けや日米の資金調達環境、シナジー効果の面でも大きな差がありますね。

(1)ソフトバンクは社債発行と資金調達

ソフトバンクは個人向け社債を大量に発行、社債の発行成功により銀行融資の一部を返済することで、スプリント買収資金の銀行融資依存度を低下させてきました。

ソフトバンクは、スプリント買収でデュッシュと買収競争に発展していますが、買収価格引き上げに備えて、個人向け社債の追加発行を行っています。ソフトバンクの資金調達は、株主利益最大化のために、デッドファイナンスを中心に行っていますが、買収成功の可能性がでていますね

(2)議決権行使助言会社の動向

ソフトバンクのスプリント買収、助言会社が賛成について、2013年6月15日日経新聞3面が報じているので見てみましょう。
議決権行使助言会社のイーガン・ジョーンズは14日、ソフトバンクによる米携帯電話大手スプリント・ネクステル買収に賛成する意見を表明した。従来の反対意見から一転、賛成に回った。ソフトバンクが11日に発表した買収額の引き上げを軸とする新提案は「株主価値を最大化する好ましいアプローチだ」と評価した。
企業の株主には、個人投資家以外にも機関投資家が多数の株を保有していることは、有名であると思います。機関投資家の中でも、年金基金や投資信託は、株式購入の原資はファンドマネージャーが保有する資金ではないので、議決権の表明に難しい課題があります。

スプリントの株主の立場で考えると、ソフトバンクとデュッシュのどちらを買収するのか非常に難しい判断となります。機関投資家の中には、議決権行使助言会社の意見をお墨付きとして、リスクヘッジのために使う方は多いと思います。

(3)議決権行使助言会社のISSがソフトバンクの買収提案を支持

スプリントを巡っては米衛星放送会社のディッシュ・ネットワークが対抗買収を提案。ソフトバンクと争奪戦になっている。議決権行使助言会社では、最大手のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)もソフトバンク支持を表明した。
ソフトバンクのスプリント買収を、議決権行使助言会社のISSも支持しており、機関投資家の支持を得られそうですね。ソフトバンクとデュッシュについて、買収金額面以外から比較してみましょう。
  1. ソフトバンク 日本企業 格付けが高い 携帯電話会社(移動体通信会社)
  2. ディッシュ 米国企業  格付けが低い ケーブルテレビ会社 衛星放送会社
ソフトバンクとディッシュを比較すると、スプリントは携帯電話会社であることに加えて、設備投資のために多額の資金調達が必要なことを考えると、ソフトバンクの方が有利になります

(4)ソフトバンクの格付けとスプリントの設備投資

ソフトバンクとディッシュを比較すると、ソフトバンクが日本企業であることが不利なように見えますが、実態は有利であると言えます。
  1. ソフトバンクはディッシュより格付けが高い
  2. 日本市場は米国市場よりも社債や銀行融資などの調達金利が低い
  3. ソフトバンクはスプリントと共同調達することで、コスト低下が見込める
ソフトバンクはディッシュよりも格付けが高いことに加えて、日本市場は低金利で、銀行融資や個人向け社債で資金調達を行えるという大きなメリットがあります。

ソフトバンクとスプリントは、買収後も、日本と米国で通信ネットワークやへの巨額の設備投資や携帯電話購入が必要になりますが、共同調達によりコスト削減が可能になりますね。

(5)ディッシュのスプリント買収提案に注目

グラス・ルイスは14日「18日が期限となっているディッシュの出方を見た上で、改めて意見を表明する」としている。
ソフトバンクのスプリント買収に議決権助言会社が賛成したのは、現時点のスプリント買収提案を見て賛否を表明しています。スプリントが買収を株主総会で提案するまでに、ソフトバンクがディッシュよりも高い支持を得続けることができるのか注目ですね。

ソフトバンク スプリント買収2013年6月株主総会で承認されていますが、スプリント株主の約8割が買収を承認しており、議決権行使助言会社のお墨付きの効果が高かったのかもしれないですね。
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